中国歴史人物「始皇帝」とは

かつての中国は「戦国の七雄」という
7人の猛者(もさ)が権力を
奪い合っていた。

上の7つです。その中の1つが「秦」(一番左下)。始皇帝の出身国です。
この7つの国家を初統一したのが始皇帝。
始皇帝はとんでもない人なのです。
むちゃくちゃすごいんですね❗中国初の全土統一ですか・・・大変そう。

初めての中国統一だったため始皇帝は
まず自分自身を世に知ってもらうため
自己紹介をしながら中国を歩きます。
「私が皇帝になりましたよー」って。
へぇ〜なるほど❗たしかに自己紹介は大切ですね❗

なんとか覚えてもらうように
お金を配ったり、食べ物を配ったりした。
こうして・・・金も土地も権力も・・・
地位も名誉も女も全て手に入れた始皇帝。

ただ「もう1つ」欲しい物があった。部下に「それがどうしてもほしい❗」とお願いするんですね。
ん〜・・・なんだろう・・・。

世界史の窓「始皇帝の欲しかったもの」

それは「不老不死」でした。
信頼を置ける部下の趙高(ちょうこう)は
頑張って不老不死の薬を探すことになった。

みなさんはほしいですか?私は欲しくはないかな・・・💦
「そんなものありませんでした・・・」
とは趙高は言えません・・・
探しに探し抜いた結果
不老不死になるかもしれないものを
ついに見つけました・・・。
中国歴史ドラマでもおなじみ「始皇帝と水銀」

見つけたのが「水銀」人体には猛毒。
これを始皇帝は服用してしまった。
うっひゃ〜💦絶っっっ対だめなやつ・・・。


始皇帝は毎日飲む。不老不死どころか、体調不良まっしぐら。
自己紹介どころではなくなります。
馬車から全く顔を出さない始皇帝。
このままではまずい。
しかし・・・体調は悪くなる一方。
始皇帝を乗せた馬車の入り口を
趙高は勝手に開けることは出来ません。
でも始皇帝に死なれては困るわけです。
でも、無理じゃないですか!?💦水銀を毎日飲んでるんですよ!!!?


でも死んではだめ❗初統一をしたのに、死んだら再び戦争が起きてしまう。これは絶対に阻止しなければいけない。
可愛がってくれた始皇帝が死んだら、
趙高自身も職を失う可能性がある。
しかし、顔を見せないしおかしい。
「思い切って馬車を開けてみよう。」と
趙高は死を覚悟で扉を開けました・・・。
どうなっていたんですか???

始皇帝は馬車の中で死んでいました。
始皇帝の死後・・・

再び戦争が起きてしまうので・・・
死んだことは絶対に公表出来ません。
とにかく「隠す必要があった」。
ふと死体に目を向けると
始皇帝の遺体の横になにか落ちていた。
それは後継者任命について書かれた
始皇帝直筆の遺書でした。

始皇帝には跡継ぎ候補の長男を含む3人の息子がいました。
その遺書には・・・
「長男に全てを譲り、後継者とする。」

長男に譲るのは当たり前なんですが・・・。趙高はこの書を見て激しく動揺します。なぜでしょう?
長男は性格が悪くて、後継者としてふさわしくなかったからですか?


そんな話もあるようですが・・・。
趙高は長男とまったく面識がなかった。
その長男が就任したとなるとおそらく
自分はクビ、下手すれば殺される。
「どうしよう・・・・・よし。」

趙高はその遺書を持って、「長男」のもとへいかず・・・向かったのは・・・
始皇帝の三男のもとへ。
三男は遺書を見てショックを受けます。
「父が死んだのか・・・。」
趙高は悲しむ三男に向けてこういった。
「遺書を見たのは・・・
私とあなただけなのです。」
ん?私とあなただけ・・・?・・もしかして・・・・❗

趙高は続けて三男にこう言いました・・・。
「遺書に書いてある、兄の名前を
全てあなたの名前に書き直せば・・・・
今この瞬間あなたが次の皇帝ですね。」
と・・・。
趙高❗頭良い❗まさかの書き直しを提案❗恐るべしっ❗

三男はもちろん趙高の指示に従い遺書を
書き直し、一瞬で全てを手に入れた。
しかし・・・なんの努力もせず
一瞬にして権力を手に入れた三男は
趙高への恩も忘れ、毎日豪遊。
国の税金を使い、堕落した生活を送った。
「誰のおかげで皇帝になれたと思ってんだ。
こんな事なら俺が皇帝になればよかった。」

でも・・・
そう簡単に権力を奪うことはできない。
相手は「皇帝」で、その父親は「始皇帝」。
反乱を起こすのも・・・成功するのか。
味方になってくれる人はいるのだろうか。
「味方の人数・がわかれば・・・・
よし・・・やってみるか。」
た・・・ためしてみる!!!!?どうやって!?

中国歴史人物「趙高の頭脳」

趙高は宮廷に高官を集め
三男の就任を祝福するセレモニーをした。
各高官が三男に貢物を贈呈していき
三男はとても喜びました。
そして・・・
セレモニーの最後に趙高からの貢物が
三男に手渡されようとしていた・・・。
趙高は一体・・・何をあげたんですか?

趙高の貢物は1頭の「良馬」でした。

良質な馬で毛並みも鮮やか・・・
走るのも早い❗
名馬を量産できれば戦いも有利になる。
趙高さん、いい人じゃないですか❗馬をプレゼントするなんて❗


目的は「仲間の人数確認」。皇帝のもとで働く人々の中に、自分の仲間が何人いるのかの確認です。馬を渡すのは【計画】です。
え?・・・先生・・・どういうことですか?

その良質な馬をわたしたあと
三男は趙高にお礼を言いました。
「さすが趙高❗素晴らしい馬だ❗
では、さがりたまえ・・・。」
趙高はとぼけた・・・。
「え?今なんておっしゃいました?」
続けて言います。
「馬?お待ちください・・・これは
どうみても「鹿」じゃないですか❗
な〜にをおしゃるんです❗はははは❗」

どこからどうみてもそれは・・・「馬」なんです。「馬」。
え???なんで「鹿」と?

三男は言います。
「趙高よ。何を言っているのだ。
どうみても馬じゃないか。」
しかし、趙高は引き下がりません。
更に趙高は続けます。
「もぉ〜鹿って言っているのに・・・
じゃぁ、ここにお集まりの皆さんにも
聞いてみましょう・・・・。」
趙高は宮廷に集まった仲間たちに
振り返り、こう言い放ちました・・・・。
皆さん。どう見てもこれ「鹿」ですよね?
静かな空気が流れる中・・・・
ついに高官たちに反応が・・・・!!!
「鹿です・・・。」
「それは鹿です・・・・」
「趙高の言うとおり!!!」
「鹿だぞ〜!!!!」
「皇帝は嘘つきだ〜❗」
宮廷に集まっていた全員が
そこにいる馬を・・・
「鹿」と言ったのです。
そうか❗これで全員が趙高の味方である事が証明できたんですね❗

この状況を見た三男は呆然・・・
今まで散々な生活を送ったことを後悔するも
時はすでに遅かった。
周りの人はちゃんと見ていたのですね。
皇帝にはふさわしくないと。
趙高はこれを気にクーデターをおこし
政権奪取に見事成功❗

三男は本当に「馬鹿」なことをしましたね。
先生の言う通り、確かに馬・・・・え!?もしかして!?

人生で一度は思ったことありませんか?
なぜ「馬鹿」は「馬」と「鹿」と書くか。
気が付きましたか?
これが「馬鹿」の語源となったお話。
自分の全てを一瞬で失った・・・。
そんな皇帝は本当に「馬鹿」な人ですね。