中国歴史人物「始皇帝」とは


かつての中国は「戦国の七雄」と呼ばれる
7人の猛者(もさ)が権力を奪い合っていた。


この7つの国家を初統一したのが始皇帝。
始皇帝はとんでもない人なのです。


初めての中国統一だったため
まずは自分自身を世に知ってもらうため
自己紹介をしながら中国を歩きます。
「私が皇帝になりましたよー」って。


なんとか覚えてもらうように
お金を配ったり、食べ物を配ったりした。
こうして・・・金も土地も権力も・・・
地位も名誉も女も酒も全てを手に入れた始皇帝。




世界史の窓「始皇帝の欲しかったもの」


それは「不老不死」でした。
信頼を置ける部下の趙高(ちょうこう)は
頑張って探すことになりました。


「そんなものありませんでした・・・」
とは趙高は言えません・・・。
探しに探し抜いた結果
不老不死になるかもしれないものを
ついに見つけました・・・。
私達にとってもそれは超有毒なものだった。
中国歴史ドラマでもおなじみ「始皇帝と水銀」


見つけたのが「水銀」人体には毒です。
これを始皇帝は服用してしまった。




馬車から全く顔を出さない始皇帝。
このままではまずい。
しかし・・・体調は悪くなる一方です。
始皇帝を乗せた馬車の入り口を
趙高は勝手に開けることは出来ません。
でも始皇帝に死なれては困るわけです。




しかし、全く顔を見せず、明らかにおかしい。
少し嫌な匂いもする・・・
「思い切って馬車を開けてみよう。」と
趙高は死を覚悟で扉を開けました・・・。




始皇帝の死後・・・




ふと死体に目を向けると
始皇帝の遺体の横になにか落ちていた。
それは後継者任命について書かれた
始皇帝直筆の書でした。
遺書です。


その遺書には・・・
「長男に全てを譲り、後継者として任命する。」






趙高は長男とまったく面識がなかった。
その長男が就任したとなるとおそらく
自分はクビになり、下手すれば殺される。
「この遺書を・・・どうしよう・・・・・よし。」


始皇帝の三男のもとへ。
三男は遺書を見てショックを受けます。
「父が死んだのか・・・。」
そこで趙高は悲しむ三男に向けてこういった。
「この遺書を見たのは、私とあなただけです。」


趙高は続けて三男にこう言いました・・・。
「遺書に書いてある、兄の名前を
全てあなたの名前に書き直せば・・・・
今この瞬間あなたが次の皇帝ですね。」
と・・・。


三男はもちろん趙高の指示に従い
遺書を書き直し、一瞬で全てを手に入れた。
しかし・・・なんの努力もせず
一瞬にして権力を手に入れた三男は
趙高への恩も忘れ、、毎日豪遊。
国の税金を使い、堕落した生活を送った。
「誰のおかげで皇帝になれたと思ってんだ。
こんな事なら俺が皇帝になればよかった。」


しかし、そう簡単に権力を奪うことはできない。
相手は「皇帝」で、父親は「始皇帝」・・・。
反乱を起こしても、難しい。
味方になってくれる人はいるのだろうか。
「味方の人数・・・・・やってみるか。」


中国歴史人物「趙高の頭脳」


趙高は宮廷に高官を集め
三男の就任を祝福するセレモニーをした。
各高官が三男に貢物を贈呈していき
三男はとても喜びました。そして・・・
セレモニーの最後に趙高からの貢物が
三男に手渡されようとしていた・・・。


趙高の貢物は1頭の「良馬」でした。


良質な馬で毛並みも鮮やか・・・
走るのも早い❗
名馬を量産できれば戦いでも有利になる。






その良質な馬をわたしたあと
三男は趙高にお礼を言いました。
「さすがは趙高❗素晴らしい馬をよくぞ❗
では、さがりたまえ・・・。」
「え?今なんておっしゃいました?」
趙高はとぼけた・・・。続けて言います。
「馬?お待ちください・・・これは・・・
どこからどうみても・・・「鹿」じゃないですか❗
な〜にをおしゃるんですか❗ははははは❗」




三男は言います。
「趙高よ。何を言っているのだ。
どうみても馬じゃないか。」
しかし、趙高は引き下がりません。
更に趙高は続けます。
「もぉ〜鹿って言っているのに・・・
じゃぁ、ここにお集まりの皆さんにも
聞いてみましょう・・・・。」
趙高は宮廷に集まった仲間たちに
振り返り、こう言い放ちました・・・・。
皆さん。どう見てもこれは「鹿」ですよね?
静かな空気が流れる中・・・・
ついに高官たちに反応が・・・・!!!
「鹿です・・・。」
「それは鹿です・・・・」
「趙高の言うとおり!!!」
「鹿だぞ〜!!!!」
「皇帝は嘘つきだ〜❗」
宮廷に集まっていた全員がそこにいる馬を
「鹿」
と言ったのです。


この状況を見た三男は呆然・・・
今まで散々な生活を送ったことを後悔しましたが
時はすでに遅かった。
周りの人はちゃんと見ていたのですね。
皇帝にはふさわしくないと。
そして趙高はこれを気にクーデターをおこし
政権奪取に見事成功❗




気が付きましたか?


これが「馬鹿」の語源となったお話。
疑問に思ったことはありませんか?
「馬鹿」はなぜ”馬”と”鹿”なのか・・・。
自分の全てを一瞬で失った・・・。
そんな皇帝は本当に
「馬鹿」なひとですね。